普通だけど、めっちゃ大事な話
普通だけど、めっちゃ大事な話
うちの若い子に「団子ってたくさん搗くとやわらかくなるんですよね?」と聞かれたので「そうだよ。ちなみに、やわらかくなり過ぎた場合は、生地が熱いうちに成形すると、冷めた時に生地が締まって少し硬くなってくれる」という話をしました。
「団子の按配って大事で、団子が硬過ぎると、みたらしが通常より甘く感じ過ぎたり、団子の按配とタレの相性みたいなのもあったりするからね」
ついでにそんな話をしました。
あとで1人この話を思い返してみて、この事って修業時代の僕にはわからなかった事で、自分の店を始めてようやく気付けた事だよな、と思いました。
毎日同じ仕事をしているからこそわかる事ってあるし、こういう事があるのがわかると、やっぱり毎日最高の仕事をしなきゃいけないよね、毎日一定の按配で作り続けなきゃいけないよねってなります。
僕たちが他所の和菓子屋へ行くのって、研究のためだとか勉強のためだったりで、その時買ったお菓子を食べて、美味しいとか普通だとか判断して、行くのはその一回きりの場合が多いです。
でもその時買ったお菓子は、その店の最高の按配ではなかったかもしれない。
何度も店に通ってくれるお客さんは「今日のはいつものと比べるとちょっとイマイチだな」と思ってもまた来てくれるかもしれないけど、初めてのお客さんは、イマイチの日のお菓子を「普通だな」とか「あんまり美味しくないな」って判断して、もうそれっきり来てくれないかもしれません。
何度も言うけど、つまり僕らは最高のものを提供し続けなきゃいけないし、一定のものを作り続けないといけない。
という話をうちの新人にしようかなぁと思ったけど、この話って今の自分には響くけど、これからお菓子を学ぼうとする子にはこの大事さが伝わらないような気がして、話すのをやめました笑